COLUMN

季節の便り—神奈月—
10.08
朝晩の空気がひんやりと澄んでくる十月。 夏の名残はすっかり遠ざかり、季節は本格的に秋へと歩みを進めます。 和風月名の「神無月(かんなづき)」の由来はは、各地の神々が出雲に集まる月とされることからともいわれています。人々にとっては、収穫や祭りを通じて、自然の恵みを実感する時期でもありました。 ◆寒露(かんろ)10月8日頃 秋の深まりを告げる露 「寒露」は、朝露が冷たさを帯びはじめる頃を指します。夜の冷え込みが増し、野草や葉に宿った露がきらりと光る景色に、秋の深まりを感じます。 この頃になると、空は一段と高く澄みわたり、夕暮れはどこか早足に。月夜に響く蟲の音に身も心も緩んでいきます。 稲刈りや秋祭りが各地で行われるのもこの時期。実りを迎える風景は、日々の暮らしに季節の確かさを伝え、自然の恵みに感謝する気持ちを呼び起こしてくれます。 ◆霜降(そうこう)10月23日頃 初霜の気配と秋の締めくくり 「霜降」は、その名のとおり、霜が降り始める頃。朝の空気は一層ひんやりとし、手先に冷たさを感じる日も増えてきます。 木々の葉は赤や黄に色づき、山々は次第に錦の景色へ。虫の声は遠のき、代わりに落ち葉を踏む音が季節のBGMとなっていきます。 一年のうちでもっとも秋らしい光景が広がるのが、この霜降の頃といえるでしょう。 季節の節目に思うこと 秋の移ろいを意識しながら、いま目の前にある景色や空気を、ひとつひとつ味わっていきたいですね。 風が運ぶ虫の音や花の香りに頬を緩めたり、色づいた落ち葉を踏みしめてみたり。...
季節の便り—神奈月—
10.08
朝晩の空気がひんやりと澄んでくる十月。 夏の名残はすっかり遠ざかり、季節は本格的に秋へと歩みを進めます。 和風月名の「神無月(かんなづき)」の由来はは、各地の神々が出雲に集まる月とされることからともいわれています。人々にとっては、収穫や祭りを通じて、自然の恵みを実感する時期でもありました。 ◆寒露(かんろ)10月8日頃 秋の深まりを告げる露 「寒露」は、朝露が冷たさを帯びはじめる頃を指します。夜の冷え込みが増し、野草や葉に宿った露がきらりと光る景色に、秋の深まりを感じます。 この頃になると、空は一段と高く澄みわたり、夕暮れはどこか早足に。月夜に響く蟲の音に身も心も緩んでいきます。 稲刈りや秋祭りが各地で行われるのもこの時期。実りを迎える風景は、日々の暮らしに季節の確かさを伝え、自然の恵みに感謝する気持ちを呼び起こしてくれます。 ◆霜降(そうこう)10月23日頃 初霜の気配と秋の締めくくり 「霜降」は、その名のとおり、霜が降り始める頃。朝の空気は一層ひんやりとし、手先に冷たさを感じる日も増えてきます。 木々の葉は赤や黄に色づき、山々は次第に錦の景色へ。虫の声は遠のき、代わりに落ち葉を踏む音が季節のBGMとなっていきます。 一年のうちでもっとも秋らしい光景が広がるのが、この霜降の頃といえるでしょう。 季節の節目に思うこと 秋の移ろいを意識しながら、いま目の前にある景色や空気を、ひとつひとつ味わっていきたいですね。 風が運ぶ虫の音や花の香りに頬を緩めたり、色づいた落ち葉を踏みしめてみたり。...

イタヤカエデはどんな木?
10.02
ヒノキノヒの、おうちで森の中の入浴気分が楽しめると人気のヒノキとイタヤカエデのバスミルク。 原料には高知県産ヒノキの天然精油と、新潟県村上市のイタヤカエデ樹液をふんだんに使っています。 今回は「イタヤカエデ」とはいったいどんな木なのか? その特徴や名前の由来など、基本的な事柄を学びましょう。 まず、イタヤカエデはムクロジ科カエデ属の落葉樹。 日本には、北海道から九州まで全国各地の山地に分布する一般的な木です。 横にも縦にも大きく育ち、葉も広がってたくさん生える特徴があります。 分厚く大きな葉は、雨の日に雨宿りができるほどにしっかりとしていて、まるで「板で作られた屋根のよう」というところから、板屋楓(イタヤカエデ)と呼ばれるようになりました。 多くの植物は新緑の後に花を咲かせるのが一般的ですが、イタヤカエデは葉が大きいため、花を覆い隠さないよう、花を咲かせたあとで葉を茂らせます。 それほど立派な葉をもつイタヤカエデは、光があまり差さない森の奥でも生息することができ、生命力の強い木と言われています。 そんなイタヤカエデの樹液は、生命活動に必要なミネラルやアミノ酸を豊富に含み、保湿性に優れています。 天然の美容液「イタヤカエデ樹液」を配合した「ヒノキとイタヤカエデのバスミルク」をぜひお試しください。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 商品情報 ⚫︎ヒノキとイタヤカエデのバスミルク お買い物はこちらから ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ...
イタヤカエデはどんな木?
10.02
ヒノキノヒの、おうちで森の中の入浴気分が楽しめると人気のヒノキとイタヤカエデのバスミルク。 原料には高知県産ヒノキの天然精油と、新潟県村上市のイタヤカエデ樹液をふんだんに使っています。 今回は「イタヤカエデ」とはいったいどんな木なのか? その特徴や名前の由来など、基本的な事柄を学びましょう。 まず、イタヤカエデはムクロジ科カエデ属の落葉樹。 日本には、北海道から九州まで全国各地の山地に分布する一般的な木です。 横にも縦にも大きく育ち、葉も広がってたくさん生える特徴があります。 分厚く大きな葉は、雨の日に雨宿りができるほどにしっかりとしていて、まるで「板で作られた屋根のよう」というところから、板屋楓(イタヤカエデ)と呼ばれるようになりました。 多くの植物は新緑の後に花を咲かせるのが一般的ですが、イタヤカエデは葉が大きいため、花を覆い隠さないよう、花を咲かせたあとで葉を茂らせます。 それほど立派な葉をもつイタヤカエデは、光があまり差さない森の奥でも生息することができ、生命力の強い木と言われています。 そんなイタヤカエデの樹液は、生命活動に必要なミネラルやアミノ酸を豊富に含み、保湿性に優れています。 天然の美容液「イタヤカエデ樹液」を配合した「ヒノキとイタヤカエデのバスミルク」をぜひお試しください。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 商品情報 ⚫︎ヒノキとイタヤカエデのバスミルク お買い物はこちらから ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ...

ヒノキと暮らしの物語 〜檜風呂のはじまり〜
9.30
ヒノキと日本人の関わりは、思っているよりずっと昔から。 およそ1300年前の飛鳥時代、世界最古の木造建築物として有名な、法隆寺をはじめとする歴史的建築に使われたことでも知られるヒノキは、香りと丈夫さを併せ持つ、特別な木として大切にされてきました。 奈良時代に生まれた檜の浴槽 ひのきの浴槽が登場したのは奈良時代、日本の入浴文化のルーツの一つといえます。 湯気に立ちのぼる木の香りは、身を清めるだけでなく、心までほぐしてくれるものだったのかもしれませんね。 江戸の湯屋で、庶民の癒しに 時代が下り、江戸の町では公衆浴場(湯屋)が広がります。ここでも檜風呂は使われ、人々の暮らしのなかに「香りと癒し」が根づいていきました。 湯につかりながら、ほっとひと息。そんな日本人ならではの入浴文化が花開いた時代です。 檜風呂を、日常のごほうびに いま、檜風呂といえば、どこか贅沢で特別なもの。けれどその魅力は、古くから変わらず。木のぬくもりと、ふわりと立ちのぼる香りが、ゆっくりと深呼吸したくなるような時間をつくってくれます。 温泉宿や旅先で出会うことも多い檜風呂ですが、最近では、自宅でもその心地よさを楽しめるアイテムが増えてきました。 ヒノキノヒでも、おうちにいながら檜風呂気分を味わえるグッズをいくつかご用意しています。 その一つが、ヒノキとイタヤカエデのバスミルク。 湯船に溶かすと、ヒノキの香りがふわっと浴室に広がり、まるで森の中にいるような感覚に包まれます。 ヒノキには、森林浴を思わせる清々しい香りの成分が含まれており、気分を整えたいときや、心を落ち着けたいときにもぴったり。 湯気に立ちのぼる香りに身をゆだねてみれば、自然と呼吸が深まり、日々の疲れがすーっとほどけていくのを感じられます。 ヒノキノヒのバスミルクには、心身をゆるませる森林浴の香りの他にも、日本の大地によって育まれたお肌にうれしい自然の養分がたっぷり詰まっています。 その他にも、バスアイテムとしてお使いいただけるアイテムを多数ご用意しております。 1300年の時を超えて、香りとともに息づく日本のお風呂文化。ヒノキに包まれるその時間は、今も昔も変わらぬ癒しのかたち。そのぬくもりを、ぜひあなたの暮らしにも。 ...
ヒノキと暮らしの物語 〜檜風呂のはじまり〜
9.30
ヒノキと日本人の関わりは、思っているよりずっと昔から。 およそ1300年前の飛鳥時代、世界最古の木造建築物として有名な、法隆寺をはじめとする歴史的建築に使われたことでも知られるヒノキは、香りと丈夫さを併せ持つ、特別な木として大切にされてきました。 奈良時代に生まれた檜の浴槽 ひのきの浴槽が登場したのは奈良時代、日本の入浴文化のルーツの一つといえます。 湯気に立ちのぼる木の香りは、身を清めるだけでなく、心までほぐしてくれるものだったのかもしれませんね。 江戸の湯屋で、庶民の癒しに 時代が下り、江戸の町では公衆浴場(湯屋)が広がります。ここでも檜風呂は使われ、人々の暮らしのなかに「香りと癒し」が根づいていきました。 湯につかりながら、ほっとひと息。そんな日本人ならではの入浴文化が花開いた時代です。 檜風呂を、日常のごほうびに いま、檜風呂といえば、どこか贅沢で特別なもの。けれどその魅力は、古くから変わらず。木のぬくもりと、ふわりと立ちのぼる香りが、ゆっくりと深呼吸したくなるような時間をつくってくれます。 温泉宿や旅先で出会うことも多い檜風呂ですが、最近では、自宅でもその心地よさを楽しめるアイテムが増えてきました。 ヒノキノヒでも、おうちにいながら檜風呂気分を味わえるグッズをいくつかご用意しています。 その一つが、ヒノキとイタヤカエデのバスミルク。 湯船に溶かすと、ヒノキの香りがふわっと浴室に広がり、まるで森の中にいるような感覚に包まれます。 ヒノキには、森林浴を思わせる清々しい香りの成分が含まれており、気分を整えたいときや、心を落ち着けたいときにもぴったり。 湯気に立ちのぼる香りに身をゆだねてみれば、自然と呼吸が深まり、日々の疲れがすーっとほどけていくのを感じられます。 ヒノキノヒのバスミルクには、心身をゆるませる森林浴の香りの他にも、日本の大地によって育まれたお肌にうれしい自然の養分がたっぷり詰まっています。 その他にも、バスアイテムとしてお使いいただけるアイテムを多数ご用意しております。 1300年の時を超えて、香りとともに息づく日本のお風呂文化。ヒノキに包まれるその時間は、今も昔も変わらぬ癒しのかたち。そのぬくもりを、ぜひあなたの暮らしにも。 ...

スポーツとアロマの意外な関係とは?
9.15
たとえば 運動前にお気に入りの香りを嗅ぐだけで気分が軽くなり、カラダにもリズムが生まれやすくなります。 アロマと運動——実はこのふたつ、想像以上に相性がいいんです。 「続けられる」には理由がある AEAJの調査によると、運動にアロマを取り入れている40代女性200人のうち、約70%が「年齢より若く見られることがある」と回答。その多くが、1年以上運動を継続しているという結果に。 好きな香りがあることで、気分が整いやすく、習慣としても続けやすい——そんな背景があるのかもしれません。 香りは、単に“いい匂い”を楽しむだけではなく、呼吸を深めたり、気分のリズムを整えたりと、体と心の両方に働きかけてくれる存在。 ヨガやピラティスといった“呼吸を大切にする運動”とも相性がよく、自分と向き合う時間をより豊かなものにしてくれます。 ひと拭きで、気分もリズムもリセット 運動後やアウトドアのあと、ふと「整えたい」と感じる瞬間——そんな時におすすめしたいのが、 先日発売した天然精油の香りで、心と身体をやさしくリセットできるアロマウェットタオルです。 使われているのは、高知県産のヒノキやユズなどを中心とした9種の天然精油。 ヒノキの清々しさに、柑橘の軽やかさが加わり、まるで“香りのシャワー”を浴びているような気持ちよさ。 メントールや合成香料は不使用で、香りに敏感な方にもやさしい設計です。 使用しているシートも、高知県・仁淀川の伏流水を使用し、樹脂系接着剤を使わずに繊維を絡めて製造され環境にもやさしい素材でかつ肌あたりも心地よく。 しっかりした厚手タイプで、一枚で全身を拭き取れる大判サイズなのも安心感があり嬉しいポイントです。 ...
スポーツとアロマの意外な関係とは?
9.15
たとえば 運動前にお気に入りの香りを嗅ぐだけで気分が軽くなり、カラダにもリズムが生まれやすくなります。 アロマと運動——実はこのふたつ、想像以上に相性がいいんです。 「続けられる」には理由がある AEAJの調査によると、運動にアロマを取り入れている40代女性200人のうち、約70%が「年齢より若く見られることがある」と回答。その多くが、1年以上運動を継続しているという結果に。 好きな香りがあることで、気分が整いやすく、習慣としても続けやすい——そんな背景があるのかもしれません。 香りは、単に“いい匂い”を楽しむだけではなく、呼吸を深めたり、気分のリズムを整えたりと、体と心の両方に働きかけてくれる存在。 ヨガやピラティスといった“呼吸を大切にする運動”とも相性がよく、自分と向き合う時間をより豊かなものにしてくれます。 ひと拭きで、気分もリズムもリセット 運動後やアウトドアのあと、ふと「整えたい」と感じる瞬間——そんな時におすすめしたいのが、 先日発売した天然精油の香りで、心と身体をやさしくリセットできるアロマウェットタオルです。 使われているのは、高知県産のヒノキやユズなどを中心とした9種の天然精油。 ヒノキの清々しさに、柑橘の軽やかさが加わり、まるで“香りのシャワー”を浴びているような気持ちよさ。 メントールや合成香料は不使用で、香りに敏感な方にもやさしい設計です。 使用しているシートも、高知県・仁淀川の伏流水を使用し、樹脂系接着剤を使わずに繊維を絡めて製造され環境にもやさしい素材でかつ肌あたりも心地よく。 しっかりした厚手タイプで、一枚で全身を拭き取れる大判サイズなのも安心感があり嬉しいポイントです。 ...

季節の便り—長月—
9.08
立秋を過ぎても、まだ昼は夏の名残を感じる暑さが残りますが、朝夕にはかすかに涼しさが訪れはじめる頃。 九月の二十四節気です。 九月の和風名月、「長月(ながつき)」の語源には、夜が長くなる「夜長月」とも、あるいは稲の穂が長く実る「長月」とも言われています。夏の名残と秋の気配が交差し、思いに耽るような時間なのかもしれませんね。 ◆白露(はくろ)9月7日頃 夜明けの頃、草もみじにひそかに宿る露。それは、夏の蒸し暑さが静かにやわらぎ、秋の気配が少しずつ姿を現し始めたしるしです。 田畑の隅に広がる草叢が、銀色に輝くさまは、朝の静かな祝祭のよう。柔らかな風がふわりと吹けば、露は一粒、二粒とこぼれ、ゆるやかな音を立てるかのようです。 そんな風景に、季節の分岐点をそっと教えられるような気持ちになります。 ◆秋分(しゅうぶん)9月23日頃 昼と夜の長さがほぼ同じになる「秋分」。空の青さも、どこか深く静かになっていく頃です。 午後の柔らかな光は、木々の葉を透かし、影さえも優しく描き出し、夕暮れには、ひんやりとした風が窓辺を通り抜けます。 季節を告げる虫たちの声は、気づけば夕暮れの主役。その声に耳を傾ければ、夏の音色がいつのまにか秋の調べへと変わっているのに気づかされます。 季節の狭間に佇む この時季は、朝の散歩道で草に宿る露を見つけたり、夕暮れの影が少し長く伸びていることに気づいたり。 ふとした瞬間に、「秋が来ている」ことを感じられます。 耳を澄ませば、夜の虫の声はどこかもの寂しく、けれど優しく響いてきます。 夏と秋、その両方をまとったこの時季特有の空気の中で過ごすと、暮らしのリズムも自然とゆっくりに。 ...
季節の便り—長月—
9.08
立秋を過ぎても、まだ昼は夏の名残を感じる暑さが残りますが、朝夕にはかすかに涼しさが訪れはじめる頃。 九月の二十四節気です。 九月の和風名月、「長月(ながつき)」の語源には、夜が長くなる「夜長月」とも、あるいは稲の穂が長く実る「長月」とも言われています。夏の名残と秋の気配が交差し、思いに耽るような時間なのかもしれませんね。 ◆白露(はくろ)9月7日頃 夜明けの頃、草もみじにひそかに宿る露。それは、夏の蒸し暑さが静かにやわらぎ、秋の気配が少しずつ姿を現し始めたしるしです。 田畑の隅に広がる草叢が、銀色に輝くさまは、朝の静かな祝祭のよう。柔らかな風がふわりと吹けば、露は一粒、二粒とこぼれ、ゆるやかな音を立てるかのようです。 そんな風景に、季節の分岐点をそっと教えられるような気持ちになります。 ◆秋分(しゅうぶん)9月23日頃 昼と夜の長さがほぼ同じになる「秋分」。空の青さも、どこか深く静かになっていく頃です。 午後の柔らかな光は、木々の葉を透かし、影さえも優しく描き出し、夕暮れには、ひんやりとした風が窓辺を通り抜けます。 季節を告げる虫たちの声は、気づけば夕暮れの主役。その声に耳を傾ければ、夏の音色がいつのまにか秋の調べへと変わっているのに気づかされます。 季節の狭間に佇む この時季は、朝の散歩道で草に宿る露を見つけたり、夕暮れの影が少し長く伸びていることに気づいたり。 ふとした瞬間に、「秋が来ている」ことを感じられます。 耳を澄ませば、夜の虫の声はどこかもの寂しく、けれど優しく響いてきます。 夏と秋、その両方をまとったこの時季特有の空気の中で過ごすと、暮らしのリズムも自然とゆっくりに。 ...

残暑疲れに、アロマの香りを
9.04
立秋が過ぎても、まだまだ暑さの残るこの季節。 外は日差しが強く、室内は冷房で冷えがち。 そんな温度差に、なんとなく体がだるい、気持ちが晴れない…そんな“残暑疲れ”を感じる方も多いのではないでしょうか。 そんな時は、頑張り過ぎず少しずつ、調和をもたらす香りのチカラで心と身体を調えてあげましょう。 今回の記事では、残暑疲れにおすすめの香りや、読んですぐ始められる対策をご紹介していきます。 夏の終わりに訪れる“残暑疲れ” この時季は、大きな寒暖差に体がついていけず、自律神経のバランスが乱れやすくなります。 また、暑い時期に冷たい飲み物や食べ物を取りすぎると、内臓が冷えて働きが弱まり、消化機能が落ちてしまいます。その結果、食欲がわかない、胃が重たいといった不調を感じやすくなります。 さらに、真夏の寝苦しさで質のよい睡眠がとれず、疲れが積み重なっていることも少なくありません。眠りが浅い状態が続くと、体力の回復が追いつかず、だるさや気力の低下へとつながっていきます。 夏の終盤から秋にかけては、このように“夏の疲れ”が表面化しやすい時季。体調の乱れを感じたら、無理をせず、心身を整える時間を意識的に持つことが大切です。 香りで整える、心と身体 そんなときに頼りになるのが、アロマを取り入れたセルフケアです。自然から生まれる香りは、深呼吸とともに体に届き、張りつめた気分を和らげたり、重だるさを軽くしたりと、心身のリズムを整えてくれます。 特別な準備は必要ありません。ハンカチやティッシュに精油を一滴落として香りを吸い込むだけでも、気持ちの切り替えができ、残暑疲れに揺らぎやすい体調をサポートしてくれます。 シーンで選ぶアロマ ・気分が沈みがちなときに オレンジやベルガモットなどの柑橘の香りで、気持ちを明るく前向きに。リフレッシュ効果とリラックス効果を同時に味わえるヒノキの香りもおすすめです。 ・食欲が落ちているときに レモングラスやグレープフルーツの香りで、体の内側からすっきりと整えて。 ...
残暑疲れに、アロマの香りを
9.04
立秋が過ぎても、まだまだ暑さの残るこの季節。 外は日差しが強く、室内は冷房で冷えがち。 そんな温度差に、なんとなく体がだるい、気持ちが晴れない…そんな“残暑疲れ”を感じる方も多いのではないでしょうか。 そんな時は、頑張り過ぎず少しずつ、調和をもたらす香りのチカラで心と身体を調えてあげましょう。 今回の記事では、残暑疲れにおすすめの香りや、読んですぐ始められる対策をご紹介していきます。 夏の終わりに訪れる“残暑疲れ” この時季は、大きな寒暖差に体がついていけず、自律神経のバランスが乱れやすくなります。 また、暑い時期に冷たい飲み物や食べ物を取りすぎると、内臓が冷えて働きが弱まり、消化機能が落ちてしまいます。その結果、食欲がわかない、胃が重たいといった不調を感じやすくなります。 さらに、真夏の寝苦しさで質のよい睡眠がとれず、疲れが積み重なっていることも少なくありません。眠りが浅い状態が続くと、体力の回復が追いつかず、だるさや気力の低下へとつながっていきます。 夏の終盤から秋にかけては、このように“夏の疲れ”が表面化しやすい時季。体調の乱れを感じたら、無理をせず、心身を整える時間を意識的に持つことが大切です。 香りで整える、心と身体 そんなときに頼りになるのが、アロマを取り入れたセルフケアです。自然から生まれる香りは、深呼吸とともに体に届き、張りつめた気分を和らげたり、重だるさを軽くしたりと、心身のリズムを整えてくれます。 特別な準備は必要ありません。ハンカチやティッシュに精油を一滴落として香りを吸い込むだけでも、気持ちの切り替えができ、残暑疲れに揺らぎやすい体調をサポートしてくれます。 シーンで選ぶアロマ ・気分が沈みがちなときに オレンジやベルガモットなどの柑橘の香りで、気持ちを明るく前向きに。リフレッシュ効果とリラックス効果を同時に味わえるヒノキの香りもおすすめです。 ・食欲が落ちているときに レモングラスやグレープフルーツの香りで、体の内側からすっきりと整えて。 ...

日本人となじみ深い柑橘系の香り
8.26
柑橘系の香りがふと身近にあるだけで、 気持ちがすーっと軽くなることってありませんか? 実は、柑橘の香りは日本人にとって、 とても「なじみ深い香り」なのです。 和の暮らしに根づく、柑橘の香り 日本では昔から、ゆず湯やみかんの皮を乾かしてお風呂に入れる「陳皮」など、暮らしのなかに自然と柑橘が取り入れられてきました。 季節の行事や薬膳、香りの文化としても、柑橘は日本人の感性と深くつながっています。 そのため、どこか懐かしさや安心感を感じやすい香りでもあるのです。 さりげない心地よさが、好まれる理由 海外ではバニラやローズなどの甘く華やかな香りが好まれることも多いですが、日本人は「軽やかさ」や「透明感」のある香りを好む傾向があると言われています。 なかでも柑橘系の香りは、軽やかであまり主張しすぎないため、日常に取り入れやすいのが魅力です。香りが強く残るというよりは、ふわっとやさしく周囲に伝わるような穏やかさがあり、そこが多くの日本人に支持されている理由のひとつでもあります。 暮らしに寄り添う、ヒノキノヒの柑橘アロマ ヒノキノヒでは、そんな日本人の感性に寄り添う国産素材から丁寧に抽出した柑橘系のアロマオイルを選べるラインナップでご用意しています。 ⚫︎100年ゆず精油 野生に近い生命力を持つ樹齢100年の希少な実生ゆずから抽出。芳醇な深みある香気が特徴。 ⚫︎ポンカン精油 樹上でじっくり完熟した果実の果皮から抽出。ポンカンはみかんよりも糖度が高く、まろやかな甘さをもち、香気はどこかぬくもりを感じさせます。 ⚫︎青ゆず精油 実生ゆずの若い果実から抽出。香気は熟す前だからこそ感じられる若葉のようにみずみずしくきりりとした清々しさをもちます。 ⚫︎青ポンカン精油 ポンカンの若い果実から抽出。深いグリーンの果皮には軽やかで清々しい若い果実のフレッシュな香気がぎゅっと凝縮されています。 ...
日本人となじみ深い柑橘系の香り
8.26
柑橘系の香りがふと身近にあるだけで、 気持ちがすーっと軽くなることってありませんか? 実は、柑橘の香りは日本人にとって、 とても「なじみ深い香り」なのです。 和の暮らしに根づく、柑橘の香り 日本では昔から、ゆず湯やみかんの皮を乾かしてお風呂に入れる「陳皮」など、暮らしのなかに自然と柑橘が取り入れられてきました。 季節の行事や薬膳、香りの文化としても、柑橘は日本人の感性と深くつながっています。 そのため、どこか懐かしさや安心感を感じやすい香りでもあるのです。 さりげない心地よさが、好まれる理由 海外ではバニラやローズなどの甘く華やかな香りが好まれることも多いですが、日本人は「軽やかさ」や「透明感」のある香りを好む傾向があると言われています。 なかでも柑橘系の香りは、軽やかであまり主張しすぎないため、日常に取り入れやすいのが魅力です。香りが強く残るというよりは、ふわっとやさしく周囲に伝わるような穏やかさがあり、そこが多くの日本人に支持されている理由のひとつでもあります。 暮らしに寄り添う、ヒノキノヒの柑橘アロマ ヒノキノヒでは、そんな日本人の感性に寄り添う国産素材から丁寧に抽出した柑橘系のアロマオイルを選べるラインナップでご用意しています。 ⚫︎100年ゆず精油 野生に近い生命力を持つ樹齢100年の希少な実生ゆずから抽出。芳醇な深みある香気が特徴。 ⚫︎ポンカン精油 樹上でじっくり完熟した果実の果皮から抽出。ポンカンはみかんよりも糖度が高く、まろやかな甘さをもち、香気はどこかぬくもりを感じさせます。 ⚫︎青ゆず精油 実生ゆずの若い果実から抽出。香気は熟す前だからこそ感じられる若葉のようにみずみずしくきりりとした清々しさをもちます。 ⚫︎青ポンカン精油 ポンカンの若い果実から抽出。深いグリーンの果皮には軽やかで清々しい若い果実のフレッシュな香気がぎゅっと凝縮されています。 ...

「ヒノキノヒ」のはじまり
8.13
私たちは、もとはハンガーやマネキンをはじめ、店舗什器をアパレルショップ様などにお作りしているメーカーです。今も多くのショップで、私たちの什器やハンガーが使われています。 ではなぜ、そんな私たちが「ヒノキノヒ」を始めたのか。今回は、そのはじまりについてお話しさせてください。 きっかけは一本のハンガー 「ヒノキノヒ」というブランドが生まれたきっかけは、一本のハンガーでした。 あるとき、海外デザイナーの方から 「日本の木で環境にやさしいハンガーを作れないか」という リクエストをいただいたのです。 そのとき私たちが選んだのが日本固有の木——ヒノキでした。 実際にヒノキの育つ里山に足を運び、森に入って、はじめて見えてきたことがあります。 木を伐る人、植える人、手入れをする人—— 森とともに生きる人たちから、たくさんのことを教わりました。 たとえば、日本の国土の約7割は森林であること。 けれど、国産材の需要は減り、手入れが追いつかず放置されている森がたくさんあること。 今現在、国産材の需要は少なく、手入れが追いつかない放置林が各地にあること。 間伐材や端材は使い道が少なく、燃料にするか捨てるしかないという現実。そして、森を未来へつなぐ“担い手”が年々減っているということ。 そのお話を聞きながら、ふと、思いました。 「この美しい木を、もっと多くの人に知ってほしい」 「ヒノキの魅力を、日々の暮らしの中で感じてもらえたら、森と人がもう一度つながれるかもしれない」 日々の暮らしに、ヒノキをもっと取り入れてもらいたい・・ そうして生まれたのが「ヒノキノヒ」です。 ヒノキノヒの原点 ヒノキノヒを運営する「日本コパック株式会社」は、...
「ヒノキノヒ」のはじまり
8.13
私たちは、もとはハンガーやマネキンをはじめ、店舗什器をアパレルショップ様などにお作りしているメーカーです。今も多くのショップで、私たちの什器やハンガーが使われています。 ではなぜ、そんな私たちが「ヒノキノヒ」を始めたのか。今回は、そのはじまりについてお話しさせてください。 きっかけは一本のハンガー 「ヒノキノヒ」というブランドが生まれたきっかけは、一本のハンガーでした。 あるとき、海外デザイナーの方から 「日本の木で環境にやさしいハンガーを作れないか」という リクエストをいただいたのです。 そのとき私たちが選んだのが日本固有の木——ヒノキでした。 実際にヒノキの育つ里山に足を運び、森に入って、はじめて見えてきたことがあります。 木を伐る人、植える人、手入れをする人—— 森とともに生きる人たちから、たくさんのことを教わりました。 たとえば、日本の国土の約7割は森林であること。 けれど、国産材の需要は減り、手入れが追いつかず放置されている森がたくさんあること。 今現在、国産材の需要は少なく、手入れが追いつかない放置林が各地にあること。 間伐材や端材は使い道が少なく、燃料にするか捨てるしかないという現実。そして、森を未来へつなぐ“担い手”が年々減っているということ。 そのお話を聞きながら、ふと、思いました。 「この美しい木を、もっと多くの人に知ってほしい」 「ヒノキの魅力を、日々の暮らしの中で感じてもらえたら、森と人がもう一度つながれるかもしれない」 日々の暮らしに、ヒノキをもっと取り入れてもらいたい・・ そうして生まれたのが「ヒノキノヒ」です。 ヒノキノヒの原点 ヒノキノヒを運営する「日本コパック株式会社」は、...

季節の便り—葉月—
8.07
照りつける陽射しはなお眩しく、けれど、朝の空気や風の匂いに、ふと秋の気配を感じられる頃。 八月の二十四節気です。 八月の和風名月、「葉月(はづき)」の名は木々が葉を落としはじめる「葉落ち月」に由来するともいわれています。 蝉しぐれが響く空の下で、夏の名残と秋の気配が、そっと入り混じるようなとき。 葉月はそんな、夏と秋のあわいの時間が流れていきます。 ◆立秋(りっしゅう)8月7日頃 暦の上で秋が始まるとされる「立秋」。実際の気候はまだ真夏のままですが、ふとした風のやわらかさや、空の高さに、どこか「秋」の気配が潜んでいます。 朝夕にはほんの少し、風が心地よく感じられるようになり、セミの鳴き声に混じって、ひぐらしの音が耳に残るようになるのもこの頃。 気づけば空模様も、雲が少しずつ秋めいて、白くやわらかな綿雲や、すっと伸びるすじ雲――真夏の入道雲とは違った空の表情に、季節の静かな移ろいを感じられます。 ◆処暑(しょしょ)8月23日頃 「処暑」は、暑さが峠を越え、やわらいでいくころ。 まだ日差しは強い日もありますが、夕暮れの風にははっきりとした変化が訪れます。 ツクツクボウシやコオロギの声が重なり、虫たちの音色が少しずつ秋の輪郭を描きはじめます。 川のせせらぎや、田んぼの水面を渡る風。昼間の喧騒のなかに、時折すっと差し込む静けさが、心に涼を運んでくれるようです。 処暑を過ぎると、空気がさらりと軽くなって、真夏の濃密な熱とは違った透明感が生まれてきます。 季節の奥行きを味わう 立秋や処暑の頃は、見た目にはまだ“夏”の景色が広がっていても、よく目を凝らし、耳を澄ませてみると、その奥に潜む「秋への入口」が、静かに佇んでいることに気づきます。...
季節の便り—葉月—
8.07
照りつける陽射しはなお眩しく、けれど、朝の空気や風の匂いに、ふと秋の気配を感じられる頃。 八月の二十四節気です。 八月の和風名月、「葉月(はづき)」の名は木々が葉を落としはじめる「葉落ち月」に由来するともいわれています。 蝉しぐれが響く空の下で、夏の名残と秋の気配が、そっと入り混じるようなとき。 葉月はそんな、夏と秋のあわいの時間が流れていきます。 ◆立秋(りっしゅう)8月7日頃 暦の上で秋が始まるとされる「立秋」。実際の気候はまだ真夏のままですが、ふとした風のやわらかさや、空の高さに、どこか「秋」の気配が潜んでいます。 朝夕にはほんの少し、風が心地よく感じられるようになり、セミの鳴き声に混じって、ひぐらしの音が耳に残るようになるのもこの頃。 気づけば空模様も、雲が少しずつ秋めいて、白くやわらかな綿雲や、すっと伸びるすじ雲――真夏の入道雲とは違った空の表情に、季節の静かな移ろいを感じられます。 ◆処暑(しょしょ)8月23日頃 「処暑」は、暑さが峠を越え、やわらいでいくころ。 まだ日差しは強い日もありますが、夕暮れの風にははっきりとした変化が訪れます。 ツクツクボウシやコオロギの声が重なり、虫たちの音色が少しずつ秋の輪郭を描きはじめます。 川のせせらぎや、田んぼの水面を渡る風。昼間の喧騒のなかに、時折すっと差し込む静けさが、心に涼を運んでくれるようです。 処暑を過ぎると、空気がさらりと軽くなって、真夏の濃密な熱とは違った透明感が生まれてきます。 季節の奥行きを味わう 立秋や処暑の頃は、見た目にはまだ“夏”の景色が広がっていても、よく目を凝らし、耳を澄ませてみると、その奥に潜む「秋への入口」が、静かに佇んでいることに気づきます。...

東京チェンソーズ「まるごと山開き vol.3 森のパラダイシフト」参加レポート
7.30
先日、私たちヒノキノヒのスタッフは、東京・檜原村で行われた「まるごと山開きツアー vol.3 森のパラダイシフト」に参加してきました。 主催は、檜原村の山で木を育て、伐り、街へと届ける 林業会社「東京チェンソーズ」さん。 “パラダイムシフト”という名がついた今回の山開きでは、森林体験の一言では収まらない、森と人との関係を改めて根っこから見直す時間が詰まっていました。 木を「一本まるごと」使いきる 東京チェンソーズさんの社有林 訪れた社有林はとても静かで澄んでいて、鳥の囀りや葉の擦れ合う音など、生き物の音だけが心地よくこだまする空間で、なんだか山全体が呼吸しているようでした。 樹齢約300年の銀杏の樹。苔むしている姿が美しかった 森や木に新しい価値を付与する活動を行なっている、東京チェンソーズさん。その取り組みのひとつである木を「一本まるごと」使うという考え方がとても印象に残りました。 スギ・ヒノキ・サワラの枝。 皮を剥き表情豊かになった枝たちは、いま活躍の場を広げている 林業では通常、伐採された木の先端や枝などの部分は流通に乗らず捨てられてしまうこともあるそう。しかし東京チェンソーズさんは、それらも含めて木を「一本まるごと」活かす流通のしくみをつくっています。 「せっかく人が植えて、育ててきた木だから、全部に価値をつけたい。」 木を植えたり、道を作ったりするのも必要最低限に手を加えるだけ。あとは自然の生命力を活かしている。 山に入らなければ聞くことのできなかった、きこりの皆さんの山へのまなざしや想い、そして実際に行われている取り組みの数々。お話を聞いていくなかで、そのひとつひとつが、「じゃあ、自分たちにできることは何だろう?」という問いとして響きました。 日本の森林の“今”に触れる 東京の38%が森林、そして檜原村に至っては約93%が森に覆われています。その中でも6割は、かつて人が植えた人工林。けれど、木は勝手に育つわけではなく、間伐や枝打ちといった“手入れ”があってはじめて、健やかな森になります。 今、日本の森林は年々蓄積量が増えている一方で、それを守り活かす“きこり”の数は減少傾向にあります。このミスマッチが、日本の林業の大きな課題となっています。...
東京チェンソーズ「まるごと山開き vol.3 森のパラダイシフト」参加レポート
7.30
先日、私たちヒノキノヒのスタッフは、東京・檜原村で行われた「まるごと山開きツアー vol.3 森のパラダイシフト」に参加してきました。 主催は、檜原村の山で木を育て、伐り、街へと届ける 林業会社「東京チェンソーズ」さん。 “パラダイムシフト”という名がついた今回の山開きでは、森林体験の一言では収まらない、森と人との関係を改めて根っこから見直す時間が詰まっていました。 木を「一本まるごと」使いきる 東京チェンソーズさんの社有林 訪れた社有林はとても静かで澄んでいて、鳥の囀りや葉の擦れ合う音など、生き物の音だけが心地よくこだまする空間で、なんだか山全体が呼吸しているようでした。 樹齢約300年の銀杏の樹。苔むしている姿が美しかった 森や木に新しい価値を付与する活動を行なっている、東京チェンソーズさん。その取り組みのひとつである木を「一本まるごと」使うという考え方がとても印象に残りました。 スギ・ヒノキ・サワラの枝。 皮を剥き表情豊かになった枝たちは、いま活躍の場を広げている 林業では通常、伐採された木の先端や枝などの部分は流通に乗らず捨てられてしまうこともあるそう。しかし東京チェンソーズさんは、それらも含めて木を「一本まるごと」活かす流通のしくみをつくっています。 「せっかく人が植えて、育ててきた木だから、全部に価値をつけたい。」 木を植えたり、道を作ったりするのも必要最低限に手を加えるだけ。あとは自然の生命力を活かしている。 山に入らなければ聞くことのできなかった、きこりの皆さんの山へのまなざしや想い、そして実際に行われている取り組みの数々。お話を聞いていくなかで、そのひとつひとつが、「じゃあ、自分たちにできることは何だろう?」という問いとして響きました。 日本の森林の“今”に触れる 東京の38%が森林、そして檜原村に至っては約93%が森に覆われています。その中でも6割は、かつて人が植えた人工林。けれど、木は勝手に育つわけではなく、間伐や枝打ちといった“手入れ”があってはじめて、健やかな森になります。 今、日本の森林は年々蓄積量が増えている一方で、それを守り活かす“きこり”の数は減少傾向にあります。このミスマッチが、日本の林業の大きな課題となっています。...