かつて日本の暮らしは、森とともにありました。山に分け入り、木を伐り、また植え、自然の恵みと寄り添う暮らしの中で、木材の自給率は9割を超えていた時代もありました。
しかし今、日本の森はかつてのような活気を失いつつあります。輸入材の増加により、国産の木材は使われる機会が減少、森に人の手が入らなくなったことで、山の健康状態は悪化し、本来の力を十分に発揮できない場所が増えてきました。
このまま森が放置され続ければ、私たちの暮らしを支えてきた山の自然や、そこに息づく多様な命の循環にも影響が及んでしまいます。
山の自然、そしてそこに棲まう動植物がかつてのように"生き生きと暮らせる環境"を守るために、私たちにできることは何だろう――そんな問いから、「ヒノキノヒ」の活動は始まりました。
そこで私たちが目を向けたのは、自然の恵み豊かな高知県で育つ『ヒノキ』でした。
高知ヒノキの特徴
ヒノキノヒで扱うのは、日本ヒノキ。
豊かな自然が広がる高知県・仁淀川(によどがわ)の上流域で育まれた天然木『ヒノキ』です。
西日本最高峰・石鎚山系から流れるその川は、神秘的な色彩から「仁淀ブルー」とも称され、全国の水質ランキンでも何度もトップに輝いている、透明度の高い美しい水をたたえています。
清らかな水、澄んだ空気、そして穏やかに流れる四季——
そんな肥沃な環境の中で育ったヒノキは、年輪の詰まりも美しく、芳香成分を豊かに含んでいます。
とりわけ、高知県産ヒノキは「精油含有率が高い」とされ、樹齢の長いものほどその特徴が際立ちます。
ヒノキ精油に含まれるα-ピネンやシトロネラールなどの揮発成分は、森林浴のリラックス効果に関与しており、抗菌・防虫・消臭といった効能も報告されています。
ヒノキノヒではこのヒノキ精油を、時間と手間を惜しまず、丁寧に抽出。森林の持つ力を、できる限りそのまま暮らしへとお届けしています。
森と人のやさしい循環
森を守るということは、木を使わないことではなく、きちんと使い、また育てていくこと。
ヒノキノヒはこの循環に貢献すべく、これまで活かされることの少なかった端材や間伐材を丁寧に使い、森の静けさやぬくもりをそのまま感じられるようなアイテムとして、日々の暮らしに届けています。
自然のやさしい香りや素材にふれることで、忙しさの中でもふっと呼吸が整い、自分の内側に立ち返るような時間が生まれる。それは、自分の中に"よい循環"を育てること。
そして、その循環の連なりが、森と人とをやさしくつないでいくと信じています。