芽吹きから初夏へ__五月の二十四節気。
新緑がまぶしい5月は、季節の節目をあらわす二十四節気の中でも、春から夏への橋渡しとなる「立夏(りっか)」と「小満(しょうまん)」が訪れます。
風の匂いも、日差しの温度も、少しずつ変化を帯び、私たちに季節の深まりをそっと告げてくれます。
◆立夏(5月5日頃) 夏の気配を感じて
「立夏」は、暦の上で夏の始まりを意味します。
まだ春の名残を感じる日も多いものの、空の青さや風の軽さに、どこか初夏の気配が漂いはじめます。庭先ではツツジやカキツバタが咲き、田植えの準備が進む季節でもあります。
衣替えを少し早めにしてみたり、冷たい麦茶を用意してみたり、ちょっとした“夏支度”を始めるのにぴったりの時期です。
◆小満(5月21日頃) 万物がいきいきと
「小満」は、草木や農作物がすくすくと育ち、自然界が“満ちはじめる”ことから名づけられました。
野山ではホトトギスが鳴き、麦畑は黄金色に色づき始めます。命の躍動を肌で感じられる、そんな季節です。
また「小満」は、人々の心が少し“満ち足りる”という意味もあります。植物が順調に育っていくのを見ると、どこか安心感を覚える――そんな穏やかな季節の美しさを感じさせてくれます。
5月の節気は、日々の生活の中にある「小さな変化」に目を向けるきっかけをくれます。
自然のリズムに耳を澄ませて、自分の暮らしにも、ほんの少し季節の彩りを添えてみてはいかがでしょうか。