今回は、「ものを大事にする」文化が根付いていた江戸時代の暮らしについてご紹介します。
18世紀の江戸は、100万人を超える大都市でしたが、世界でも類を見ないゴミのない街であったと言われています。
「持ちすぎない」精神
生地の修繕、針仕事
江戸では「持ちすぎない」暮らしが支持され、特に庶民の間では着物は新調するものではなく、お古を買って長く着る工夫をしていたそうです。これは現代のユーズド交換やリメイクのコンセプトに似ていますね。
たとえば着物は代々親から子へと受け継ぎ、擦り切れてきたら、今度は小物や風呂敷などに作りかえるといった工夫をして、長きに渡り大事に使っていきました。そして、それがまた役目を終えれば、かまどの焚き付けとして利用し、その灰は専門業者に回収され、肥料や焼き物のうわ薬として活用されていたといわれています。
古着専門の露天
江戸は大消費地であり、当時は資源がまだまだ少なかったため、徹底したリサイクル習慣が身についていたんですね。
現代の生活の中でも工夫次第でできることは沢山あります。
当時の人々は地球環境を考えてものを再利用していたわけではありませんが、「ものを大切にする暮らし」こうした姿勢から私たちが学ぶべきことは多くあります。