普段何気なく口にしている暦月の名の由来をご存知ですか?
旧暦では、一月から十二月まで、
それぞれの月(暦月)に、日本特有の自然観が生んだ多彩な月の呼び名があり、それらを"和風月名"といいます。
今回は、そんな和風月名(1月〜3月)について触れていきます。
◯「睦月」(むつき)
旧暦一月の別名。語源についてはいろんな説がありますが、
新年の挨拶におたがい行き来して、仲睦まじくする時期だから、昔は睦び月と呼んだそう。
それが縮まって「むつき」になったとか。
◯「如月」(きさらぎ)
旧暦の二月の別名。衣を重ね着して過ごす寒い時期のことなので、衣を更に着ると書いて「衣更着」。転じて、如月に。
草木の若芽が萌えだして、萌(きざ)しの揺らぐ月だから
「きさゆらづき」が「きさらぎ」になったとも、草木が更新して新たないのちを芽吹く意味の「木更月」が転じたともいわれる。
◯「弥生」(やよい)
旧暦の三月の別名。弥生は「いやおひ(弥生)」が転じたものだそう。暖かくなってきて、草木が葉を伸ばし、花を咲かせはじめるころという意味。旧暦でいう三月は、およそ新暦の四月で春の盛り。
今回、1月〜3月の和風名月をご紹しましたが、いかがでしたでしょうか?
普段、事もなげに使っている言葉も、その由来に触れてみれば味わい深さが増し、"いま"へと目を凝らすきっかけになります。
われわれ日本人は古くから豊かな自然、そして豊かな文化の中にいます。
古人の感性から生まれた言葉に触れ、そこから広がる豊かな時間を楽しんでみてはいかがでしょうか?