二十四節気「清明(せいめい)」を迎えました。
万物が目覚め華やぎだすこの時期、外を歩けば見やる彩りに無意識に視線が泳ぎだします。
そんな清明は、「清浄明潔(せいじょうめいけつ)」という言葉に由来し、爽やかな風吹く春先の清らかで生き生きとした様子をいったもの。旧暦ではこの頃になると桜や草木の花が咲き始め、空には春霞がかかります。
風に舞う花びら、窓に反射する春の色、夕暮れの帰り道、いつもの光景もどこか淡くやさしさを纏います。
春の光景には冬の冷たさや夏の燃え盛るような力強さとはまた別の、トロンとした柔らかな時間の流れを感じます。それは大気にかかる淡い靄が大地にヴェールをかけているからなのかもしれません。